業界知識

23.03.16

デジタルアートが75億円?!NFTって何?

デジタルアートに唯一無二の価値を持たせることができる「NFT」ですが「名前は聞いたことがあるけど具体的に何かわからない」「どうやって作品を売買するの?」という方もまだまだ多くいらっしゃるのではないでしょうか?今回は、デジタルアートに興味のある方やNFT取引を始めてみたいという方に向けて「NFTとは?」といった基本情報から、実際にNFT取引を始めるまでの流れなどをご紹介します!

そもそもNFTって何?

NFTとはNon-Fungible Tokenの略で、日本語に訳すと「代替不可能なトークン(デジタル上で何らかの価値を証明する象徴や記号)」となります。具体的には、コピーが容易なデジタルデータ(アートや音楽)に対しブロックチェーン技術を活用することで、唯一無二の資産価値を与え新たな市場価値を生み出す技術のことです。

2021年には、アメリカのデジタルアーティスト「Beeple」のNFTアート作品『Everydays:The First 5000 Days』が、出品されたオークションサイト市場最高値の約75億円で販売され大きな注目を浴びました。

その他でも『ポケットモンスター』シリーズのイラストで知られるさいとうなおき氏の作品が600万円で取引されるなど、非常に高値でさまざまな作品が取引されています。

仮想通貨と何が違うの?

仮想通貨はビットコインやイーサリアムなどの暗号資産のことで、その資産自体の個別の識別情報は無視して「〇円分の価値を持ったデジタルデータ」として、他の暗号資産や現金と交換できます。

しかし、NFTはその資産自体の個別の識別情報も含めて資産価値を与え、他の同等作品とは交換できない唯一無二の存在として扱われます。そのため、デジタルデータの取引には「一点ものならでは」の高値が付けられることが多くあるのです。

また、イーサリアムとはプラットフォームの名前で、ここで使用される暗号資産をイーサと呼びます。(日本ではプラットフォームと暗号資産の両方をイーサリアムと呼ぶことが多いです。)現在、ほとんどのNFTの取引がイーサリアム上で行われています。

NFTにはどんな特徴がある?

ここでは、NFTの中でも大きな特徴を3つご紹介します!

1. 作者に永続的に収入が入る

これは「プログラマビリティ」というもので二次流通でも作者に手数料が入るなど、データ自体にさまざまな価値を付与できることです。

絵を例に簡単に説明します!



従来
作者Aの作品をBという人が買った場合、当然Aにその作品の売上となるお金が入ります。その後、BはCという人にその作品を販売します。この場合、BはCに絵を売ったためお金が入りますが、Aにはお金は入りません。

NFT
作者Aの作品をBという人が買った場合、当然Aにその作品の売上となるお金が入ります。その後、BはCという人にその作品を販売します。BはCに絵を売ったためお金が入ります。

ここまでは従来と同じです。NFTの特徴はここからで、NFTには「誰がいつ制作したのか」という情報が記録されているため、Aとは直接関係のない、BとCの売買でも、Aにマージンが入るのです。

これが作者が永続的に収入が入る仕組みです。

2. 誰でも自由に取引できる

これは「取引可能性」といわれるものです。従来のアート市場では、取引に参加するためには誰かに招待してもらう必要があったり、そもそも出品できるのが名の知れた画家だけなどやや閉じられた環境でした。

しかし、NFTの場合所有者は所有しているNFTを自由に移動させることが可能で国や年齢、知名度といった枠組みにとらわれることなく、とても自由な取引が可能になりました。(未成年の場合、NFT取引に必要な口座開設やウォレットへの送金ができないため、保護者のもとで口座開設などを行う必要があります。)

3. どこでも取り扱える

最後は「相互運用性」です。NFTの仕様は現在のところ共通規格として定められているため、この企画に沿って発行されるサービスならどこでも取り扱うことができます。

例えば『Crypto Spells(クリプトスペルズ)』は自身でゲーム内で使用するNFTカードが自作できるのですが、一部の別ゲームではクリプトスペルズで作成したカードを使うことができます。(現在コラボを拡大予定のようです。)

どうやって始めたらいいの?稼げるの?

始め方

仮想通貨取引所に登録する

現在、NFTのほとんどがイーサリアム上で取引されています。そのため、イーサリアム(NFTを売買するのに必要な暗号資産)を購入するために、「仮想通貨取引所」で口座開設を行う必要があります。

イーサリアムを購入する

口座開設が完了したら、イーサリアムを購入します。

どのくらい購入すれば良いか分からない方もいると思いますが、自身で作品を「販売したい」場合は初期費用が10,000~20,000円かかります。イーサリアムをウォレットに送金するための手数料が約3,000円、初回のみかかる出品手数料(ガス代と呼ばれます。)が5,000円~15,000円、残りが売上になります。

誰かが作った作品を「購入したい」場合は、初期費用が購入したい作品の値段+5,000円~10,000円かかります。こちらの内訳は、イーサリアムをウォレットに送金するための手数料が約3,000円、購入にかかる手数料(ガス代)が2,000円~8,000円となります。

作品本体の値段はピンキリで数百円で買える作品もありますが、その場合ガス代のほうが高くついてしまうのでご注意ください!

ウォレットに入金する

ウォレットは、暗号資産や作品を保管しておく「お財布」の役割で「メタマスク」というものが多く使用されています。ウォレットを作成し購入したイーサリアムを送金します。

マーケットプレイスに登録する

マーケットプレイスは作品を売買する「市場」の役割で、会員登録は不要でウォレットと接続するだけで利用できます。マーケットプレイスによって出品手数料が異なるので、自身で使いたいマーケットプレイスの手数料を確認してからイーサリアムを購入するとよいでしょう。

NFTを購入・販売する

上記のステップを完了したら、後はご自身で好きなNFTを購入したり販売したりしましょう!NFTはさまざまなプラットフォームで取引されていますが、イーサリアムが最もおすすめです。

利用者が多い分ガス代が高騰していますが(ガス代は利用者の取引履歴を記録するマイナーという人たちへの報酬で、利用者が増えるほどマイナーの作業量も増えるため、ガス代が高騰する、という仕組みです)、プラットフォーム自体の規模が最も大きく、作品数も圧倒的に多いので、買うのはもちろん販売する際もより多くの人に自分の作品を見てもらうことができるでしょう!

有名アーティストに自分の作品が買ってもらえるというチャンスも転がっています!

NFTの将来性は?

”メタバースの世界市場は2021年に4兆2,640億円だったものが2030年には78兆8,705億円まで拡大すると予想されている”
引用:総務省HPより
https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r04/html/nd236a00.html

NFTが流行り始めた2017年からの数年で4兆円を超える急成長を遂げただけでなく、2030年にはさらに19倍近くまで市場規模が拡大すると予想されるなど、まだまだ発展・拡大が見込めます。

しかし、NFTは仮想通貨と密接に関わっており、仮想通貨の価値が下がるとNFTの価値や市場規模も下がってしまう危険があることにも注意が必要です。

NFTはアートに対して投資の要素も多く含んでいますが、今後さらにメタバースが普及した際にはコレクションの意味合いも強くなり、メタバース上で美術館などを作ることで他のユーザーとのコミュニケーションも図ることができるなど、さまざまな目的で使用されていくでしょう。

以上のことから、まだまだ市場規模は拡大すると考えられますし利用者も増えると考えられます。

しかし、NFTも含め暗号資産は価格変動がかなり激しいので、突然価格が暴落して資産価値がなくなってしまう可能性があることも頭に入れておく必要があります。

まとめ

本記事ではNFTについて「NFTとは何か」「どのような特徴があるのか」「どうやって始めるか」をご紹介しました。

今回は絵などデジタルアートを中心にご紹介しましたが、近年ではNFTを使用したゲーム(P2Eゲーム)も市場規模を拡大しています。

P2Eゲームについての記事はこちらから!
Play to Earn(P2E)とは?「遊びながら稼ぐ」メリット・デメリットを解説!

また、NFTに使用するデジタルアートはプロ向けのソフトで制作する必要はなく、無料のツールで描いたイラストでも十分です。ぜひ、この機会にイラストや写真などの作品を出品してみてはいかがでしょうか!

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