業界知識

23.09.06

【ゲームデバッグ】ゲームプレイが仕事になる?!QAの仕事とは?【テスター・デバッガー】

皆さんはゲームがどのように作られているかご存じでしょうか?「プログラムを組んだり、キャラクターや3Dのデザインをしているんでしょ!」という方が多いと思います。もちろんその通りです!しかし、それらの工程を経て出来上がったゲームを実際にリリースするには、もう1つとても大事な工程があります。それが「QA(品質管理)」です。
今回は、「ゲーム業界でのQAってどんな仕事?」といった基本情報から、「好きなゲームを仕事にしたい!」という方に向けて、必要な知識や経験・将来性などまでご紹介していきます!

QAとは

QAとは

QAとはQuality Assuranceの略で「品質管理」という意味です。製品やサービスが、求められている品質に達しているかを証明する活動のことを指し、ゲーム業界のみならず、さまざまな業界に存在する仕事です。QAを行う人をQAエンジニアやデバッガー、テスターと呼びます。

仕事内容はゲームプレイ?

ゲーム業界のQAの仕事内容は、開発途中のゲームをプレイし、仕様書通りに動作しているか、バグと呼ばれる不具合が起きていないかを確認することです。つまり、ユーザーが安心・快適にゲームをプレイすることができるかを総合的にチェックするのが主な仕事内容です。

QAエンジニアとデバッガーとテスターの違い

QAエンジニアやデバッガーは、完成した製品が仕様に沿っているか、ユーザーが使用できる状態になっているかの確認を主に行います。また、製品状態をチェックするだけではなく、テストで検出された不具合の原因を特定してプログラムを修正したり、テスト設計・実施・結果の分析や開発者へのフィードバックも行ったりします。

一方テスターは、開発途中の製品に対して、プログラムが正常に動作するか、不具合がないかのテストを行います。つまり、テストを行うだけか、テストだけでなくテスト設計やフィードバックなどその前後も担当するかという部分で違いがあります。

しかし、これらは明確に区別されているわけではなく、会社によって呼び方が違うだけだったり、すべてまとめてデバッガーと呼ぶ場合もあります。

QAは未経験でもできる

QA職は未経験でも挑戦可能です!

テスターやデバッガーは、未経験者歓迎のアルバイトの求人も多くあるため、未経験はもちろん知識が全然なくてもチャレンジしやすいでしょう。

もちろんデバッグを行うにあたり、プログラミングができたり、知識があるに越したことはありませんが、求人によっては「1つのゲームをやりこんだ経験のある人」や「熱意をもって仕事に取り組める人」など、特定のスキルや知識・経験がなくても応募できるものもあります。

高度な技術が必要な3Dモデラーやエンジン開発に比べると、アルバイトや派遣での求人も多く、比較的なりやすい職種といえるでしょう。

QA職のステップアップ

テスター、デバッガー、QAエンジニアが区別されている場合は、仕事内容の変化に応じて、テスター→デバッガー→QAエンジニアというキャリアアップがあります。

その後はどういったキャリアアップが望めるのか、デバッガー自体にどんな将来性があるのかについて、ご紹介していきます。

QAエンジニアまでのキャリア

テスター、デバッガー、QAエンジニアが区別されている場合のキャリアアップの一例をご紹介します。

アルバイトなどでテスターとして、テストの流れを把握したりゲームにかかわる知識を蓄えた後、デバッガーとなります。

デバッガーになってからは、バグが起こった際の状況や発生頻度などの情報をレポートにまとめたり、レポートを基にして修正された後にもう一度バグがないかを検証します。これらの業務に熟知し、複数人でデバッグを行うチームをまとめるリーダーなどの経験を経てQAエンジニアになります。

QAエンジニアになった後は、QAリーダーと一緒にテスターやデバッガーがデバッグを行うための仕様書やテストケースの設計をしたり、デバッガーが作成したレポートをプログラマーやエンジニアに報告・改善案の提案を行います。

QAエンジニア以降のキャリアアップ

?QAリーダー(マネージャー)

QAリーダー(マネージャー)は、QAを極めたい!という方におすすめです。この場合、単にデバッグやテストを行うチェック作業者を続けるのではなく、「テスト要件定義」や「チームリーディング」といったさらなる上流工程を担います。

テスト要件定義とは、デバッグやテストを行う際にどういうテストが必要で、どういう動作が正解かを他の開発者たちと決めることです。まずは要件定義でしっかりとテスト項目や想定挙動を定めます。それらの定められた項目をしっかりとクリアしているゲームを作ることで、結果として製品の品質の向上につながります。

?プランナー

デバッガーを経験した後は、プランナーに進む道もあります。ゲームプランナーは、新タイトルの企画立案や、制作準備、プロジェクトの進行などが主な仕事内容です。

デバッガーとして仕事をしていく中で、「ゲームがどんな仕組みで動いているか」が分かったり、現場の雰囲気や仕事の流れを把握できるため、プランナーへのキャリアアップも可能になります。自ら転職活動を行う方法もありますが、中にはデバッグとして従事している案件のなかで「プランナーをしないか」というオファーがくることもあるようです。

デバッガーはAIに置き換わる?

デバッガーはソフトウェア開発において、品質担保と品質向上の役割を担う重要なエンジニアであり、ユーザーに寄り添う品質の良いサービスを作り出すために必要不可欠な存在です。 たしかに、近年はAIなどを用いてテスト作業の自動化も進んでいますが、より複雑なバグの発見やユーザー目線での面白さの追及などは、人の手による検証が必要なため、今後も需要のある仕事であり、将来性もあるといえるでしょう。

QAエンジニアに必要な資格や知識

上記でもご紹介した通り、デバッガーは未経験からでも挑戦可能なため「この資格がなきゃなれない!」といったものは特にありません。しかし、デバッガーになるためや、その後のキャリアアップに向けて、持っていたらアピールポイントになる資格やスキルもありますのでご紹介します!

資格

ソフトウェア品質技術者資格認定(JCSQE)

一般財団法人日本科学技術連盟が主催する、ソフトウェアの品質向上に関する知識を認定する資格試験です。試験は初級・中級・上級の3つのレベルで構成されています。現在は初級と中級の2つが受験可能で、今後上級が追加される予定です。専用の参考書籍や問題集が出版されているので、試験学習を進めやすいというメリットがあります。

JSTQB認定テスト技術者資格

JSTQB(Japan Software Testing Qualifications Board)が主催する、ソフトウェアのテスト技術を認定する資格試験です。試験は「Advanced Level」と「Foundation Level」の2つのレベルがあり、レビュー評価からソフトウェアテストに関する知識など、品質管理に関わるさまざまな知識が問われます。
JSTQB認定テスト技術者資格は、アメリカ、イギリス、ドイツなどのISTQB連携のテスト技術者資格と相互認証を行なっており、海外でも通用する資格です。

IT検証技術者認定試験(IVEC)

一般社団法人IT検証産業協会(IVIA)が認定する、テストエンジニアの資格試験です。実務を重視した試験内容になっており、実務力を問う記述式試験が出題されることが特徴です。 テストのレベルは全部で7つあるのですが、本記事で紹介したキャリアフローと合わせると、レベル1・2はテスター向け、レベル3・4はデバッガー向け、レベル5・6・7がQAエンジニアやQAリーダー(マネージャー)向けといえます。
レベル3以上は、それ以下のレベルに合格していないと受験することができないので、確実に知識を積んでいくことが必要になります。

知識・スキル

ここからは、デバッガーを目指す方はもちろんですが、キャリアアップを目指す方にも身に着けておくとプラスになるものをご紹介します。

プログラミングスキル

デバッガーになった際に、直接プログラムを修正することがあるので、プログラミング言語の構造や特徴を把握しておくとよいでしょう。「何の言語を学んだらいいかわからない!」という方は、ゲーム開発エンジンの言語として多く使われている「JavaScript(Unityでよく使用されます。)」「C++(UnrealEngineでよく使用されます。)」あたりから始めてみるとよいかもしれません。

ソフトウェア開発・テスト技法に関する知識

必要に応じてシステムの開発工程に関して提案を行うこともあったり、必要なテストの内容を決めたり設計をする必要があったりするので、ソフトウェア開発やテストを行うさまざまなツールについても理解がある必要があります。
これらの知識はデバッグ業務を行いながら蓄えていけるとよいでしょう。

品質、マネジメントの知識

製品そのものの知識だけでなく、開発工程全体の管理能力や、より品質を向上させるためのマネジメントスキルがあるとよいでしょう。

キャリアアップの部分で触れましたが、デバッガーからプランナーになる前に、QAリーダーを経験することはもちろん、他業種でもプロジェクトマネージャーなどで「チームをまとめたことがある」とアピールポイントになるといえます。

ゲームプランナーはエンジニアやデバッガー、予算を管理する部署など様々な人と関わり、チームとしてまとめる必要があるため、この能力が重要になってきます。業務中も積極的に社内の人とコミュニケーションをとることで、多職種への理解も深めることができます!

QA職が向いている人とは

では、どんな人がQAの仕事に向いているのかを5つご紹介します!

細かい作業を繰り返し根気強く行える人

デバッグやテストは長時間同じ作業の繰り返しになります。そのため、集中力や根気強さがあり、なおかつ細部にまで注意を払えることが必須です。

論理的思考ができる人

デバッガーはバグが起こった際に、「なぜ起こったのか」原因を特定する必要があります。そのため原因から結果まで一気通貫して考えられる論理的思考が求められます。また、プランナーになった際にも、ゲームの収益や予算の根拠を正確に伝える必要があるため、論理的思考は重要になります。

スケジュールやタスクの管理ができて、きちんと予定通り遂行できる人

ゲームのリリースに合わせて膨大な量のテストを行い、バグの検証・改善・レポートの作成を行うなど、デバッガーには仕事がたくさんあります。このため、マルチタスクが得意(抵抗がない)だったり、予定や納期をきちんと守れることがとても重要です。

チームで何かに取り組めたり、コミュニケーションを円滑に取れる人

QAはチームで取り組むことがあったり、エンジニアやプランナーと関わる機会もあります。そのため、きちんと相手と意思疎通をはかりコミュニケーションをとることが必要です。

さまざまな種類のゲームができる、好きな人

QAの仕事を行ううえで、必ずしも毎回自分の好きなゲームやジャンルをプレイできるとは限りません。苦手なゲームを延々とプレイするのはやや負担も大きいので、幅広いジャンルのゲームが抵抗なくプレイできたり好きであると有利かもしれません。

まとめ

本記事では、ゲームリリース前の重要な仕事である「QA」について、さまざまなQA職の違いやどんな人が向いているかをご紹介しました。

最終的に求められる知識やスキルは多いものの、テストやデバッグなど未経験からでも始めることができる業務もあり、QAエンジニアや他職種へのキャリアアップもできるなど、将来性のあるお仕事です。就活中の学生さんや、ゲーム業界への転職を考えている方にもおすすめです!

ぜひ、QAを通して、ユーザーから愛される素敵なゲームの開発に携わってみてください!

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