24.04.09

モーションキャプチャとは?幅広い分野で注目されるCG技術について解説!

突然ですが、「モーションキャプチャ」という言葉を聞いたことはありますか?
モーションキャプチャとは、近年注目されている3D技術です。この技術はゲーム業界だけでなく様々な分野で導入されていますが、一体どんな技術なのでしょうか?

モーションキャプチャとは

モーションキャプチャとは、人間などの「動き」を測定してデジタル化し、コンピューターに取り込む技法のことです。

仕組みとしては、関節など人体の動作の特徴となる部位の位置と動きを記録することで人の「動作」を記録します。関節などに「マーカー」と呼ばれる印を付け、カメラやセンサーを使ってその動きと位置を3次元で測定し、データ化して記録します。

その記録を3DCGキャラクターなどに反映することで、ロボットのように機械的ではないリアリティのある動きを表現できます。この技術はゲーム業界だけではなく、医療・スポーツ業界でも活用されています。

ゲーム業界では、ゲーム制作の工程の1つであるキャラクターアニメーションなどに利用されることが多く、モーションキャプチャを使用することで3DCGキャラクターの動きを滑らかにすることが可能です。

さまざまなシチュエーションで用いられる測定方法

モーションキャプチャで使用する動きの測定方法には、「光学式」「慣性式」「ビデオ式」「機械式」「磁気式」などがあります。今回は代表的な方法として「光学式」「慣性式」「ビデオ式」の3つをご紹介します。

1. 光学式

光学式とは、複数のカメラを使ってマーカーの位置を特定するシステムで、位置測定の精度が高く、最も幅広い分野で活用されています。
カメラから赤外線が発光し、マーカーがその光を反射することで、位置を特定します。測定にはマーカーが付いた専用のスーツを着用する必要があります。

光学式はカメラを複数台利用するので、スタジオのような広い空間を確保することが不可欠です。

2. 慣性式

慣性式とは、体に装着した慣性センサから加速度や地磁気などの情報を、あらかじめ制作しておいた骨格モデルにあてはめることで体の動きを測定するシステムです。
測定するには慣性センサを取り付けたグローブやベルトなどを着用します。指などの細かい動きは光学式よりも得意としていますが、全身の動きは光学式ほど正確ではありません。

ただ、光学式やビデオ式のようにカメラや他の機材を設置する必要がなく、慣性センサを身に付けるだけで測定可能なので、光学式で使用するスタジオよりも狭い、自宅などの空間で測定できます。場所を問わずに使用できる点が慣性式のメリットです

3. ビデオ式

ビデオ式とは、複数台のカメラを使用して撮影を行い、映像から背景を取り除き、シルエットをモデルとしてキャプチャを行います。
ビデオ式はマーカーを使用せずに行うことも可能なので、スポーツ選手の動きを再現する際に良く用いられます。さらに精度を高めたい場合にはマーカーを使用することで、より高度な動きまで再現できます。

ビデオ式は、リアルタイムで撮影を行わなくても過去に撮影した映像なども用いることができますが、リアルタイムで撮影した映像よりも精度は高くないので注意が必要です。

ゲーム業界での活用例

ここからはゲーム業界で、モーションキャプチャ技術が用いられた事例をいくつかご紹介していきます。

ゲーム業界の中でもゲーム制作で活用される場合、キャラクターの動きに説得力を持たせるためや、作業効率を向上させるといった目的で活用されることが多いです。

例えば、『ウマ娘 プリティダービー』のゲーム内イベントで行われるウイニングランのダンスシーンでもモーションキャプチャが活用されています。

有名な「うまぴょい伝説」という曲のダンスを踊るシーンですが、このシーンは実際に人間が踊ったものを光学式のモーションキャプチャシステムで情報を3Dデータ化し、キャラクターに落とし込むことでよりリアルなダンスシーンの動きを再現することを可能にしています。

また、KONAMIの人気野球ゲームである『プロ野球スピリッツ』や『パワフルプロ野球』でも、打者の打撃フォームや投手の投球フォームなどを再現するために活用されています。
1回データをとるだけで、2つのゲームのどちらにも対応することができ、効率化が図られています。

モーションキャプチャはいくらかかるのか

モーションキャプチャは、企業が大きなスタジオを借りて行うというイメージがあるかもしれませんが、個人でも使うことができます。
どの方式を利用するのか、またどの程度器具を揃えるのかによって値段は大きく変わるため、目指すクオリティなどを考慮して最適なモーションキャプチャを選択すると良いでしょう。

例えば、カメラなどの他の機材を設置する必要がない慣性式のモーションキャプチャを利用し、グローブ・体に付けるボディセンサー・ソフトウェアなどを使用することで、比較的安価に利用することができます。

また、光学式はカメラ・スタジオレンタル代などが必要になり、さらに高いクオリティを目指そうと考えている方はカメラを何台も用意しなければならないため、1000万円程かかる場合もあります。
しかし、モーションキャプチャスタジオを低価格でレンタルできるサービスもあるので、「どうしても光学式を使いたいけれど少しでも費用は減らしたい!」という方は、そういったサービスを利用することで費用を抑えられます。

無料でモーションキャプチャを体験してみたいという方は、気軽にアバターを動かせるモーションキャプチャソフトも存在します。
Rokoko visionという無料のモーションキャプチャソフトでは、モーションキャプチャスーツを用意する必要がなく、webカメラで動きを録画し、それをアップロードするだけで本格的なモーションキャプチャを体験することができます。
初心者でも始めやすいため、モーションキャプチャに興味を持っている方に是非おすすめしたいソフトです。

モーションキャプチャの知識を活かした仕事

モーションキャプチャの知識は、モーションデザイナーの業務に活かすことが出来ます。
モーションデザイナーとは、制作したCGデザインに動きを付けることで、ゲームのキャラクターに動きを加えて感情や性格などを表現する、ゲーム制作では重要な職種です。

モーションデザイナーになるためにモーションキャプチャの知識・スキルは必須ではありませんが、今後ゲーム制作には欠かせないものとなることが予想されます。

また、モーションキャプチャは映画のCG制作、スポーツ医療業界などでも活用されているので、将来の選択肢の幅を広げたいと考えている方も積極的にモーションキャプチャの知識・スキルを身に付けていきましょう。

モーションデザイナーの仕事内容などは下記の記事を参考にしてください。
ゲーム自体の面白味に直結!モーションデザイン・リギングとは

まとめ

モーションキャプチャ技術は私たちの身近な場所でも活用されていて、そんなところにも使われているのかと驚いた方も多いのではないでしょうか。

先ほどの『ウマ娘 プリティダービー』のゲームを開発した大手ゲーム会社であるCygamesは大阪に世界最大級のモーションキャプチャ専用スタジオを設立し、コンテンツのクオリティーを高めるためにも今後積極的に活用していくとしています。

また、近年話題となっているXRとも相性が良く、今後ますます需要が高まっていくと考えられます。ゲーム業界への転職の際に身に付けるスキルとしてモーションキャプチャを検討してみてはいかがでしょうか。

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