
近年ではアニメーション制作ソフトを使ってゲーム制作などをすることが増えてきました。そんなアニメーション制作をする上で最も基本的なアニメーション手法として「キーフレームアニメーション」という技術が存在し、広く使われています。今回は、キーフレームアニメーションとはどのような技術なのか、使用できるツールも含めてご紹介します。
キーフレームアニメーションとは
キーフレームアニメーションは別名「手付けアニメーション」や「手付けモーション」とも呼ばれます。映像制作やゲーム制作などでは最も一般的なアニメーション制作の手法で、多くのアニメーション制作に使用されています。一体どんな技術なのでしょうか。
キーフレームアニメーション(手付けアニメーション)
従来のアニメーションはパラパラ漫画の要領で、一コマ一コマを手作業で動かして動きを表現していたので、非常に時間がかかる作業でした。そこで、より作業の効率化を図るためにキーフレームアニメーション(手付けアニメーション)という技術が使われるようになりました。キーフレームアニメーションはアニメーション技術の一つで、他には実際の現実の動きを機械で読み取ってコンピュータ上で使用する「モーションキャプチャー」などがあります。
キーフレームアニメーションとは、キーフレームと呼ばれる動きの重要な部分を人間が設定し、その間はコンピュータが計算して補完してくれることでアニメーションを作成する技術です。キーフレームアニメーションの「フレーム」とはアニメーションの長さや時間軸を表し、編集する際にどの時間で変化させるのかなどを設定する際に重要となる点です。
キーフレームアニメーションは全てのCGアニメーション技術の基本的な考え方で、細かい仕草や動きのタイミングはアニメーター自身が設定していきます。最低でも動きの始点と終点の二つを設定する必要があり、この作業が手作業で行われることから「手付けアニメーション」と呼ばれます。
例えば、ボールを直線運動で動かしたいと思ったら、初めに動きの始点と終点を設定します。この始点と終点を設定するのみでは、ボールはただ直線運動をする単純な動きになります。
そこで、始点と終点の間で色を変えたい場合は任意のポイントで色彩変更の作業を加えたり、回転させたい場合は任意のポイントで動きを変更させる作業を加えることができます。この作業を行うことによって、ただ直線運動しているボールに色の変化や回転などの動きが加わり、より表現の幅が広がります。
ゲーム制作現場でのキーフレームアニメーションの活用事例
ゲーム業界ではコンピュータゲームが生まれた時点でキーフレームアニメーション技術はすでに存在し、ゲーム制作に導入することが容易だったので、多くのクリエイターに普及していきました。
キーフレームアニメーションは恋愛シミュレーションのゲームキャラクターの髪の色を変えたり、反転させて後ろ姿にしたりするのに使用されたり、ゲームキャラクターを一定の周期で動かすことなどに使用されています。
キーフレームアニメーションを活用できるツール
キーフレームアニメーションの機能は、動画編集ソフトや3DCG制作ソフトに組み込まれていることが多く「Maya」や「Fimora」などがありますが、イラスト制作ソフトである「CLIP STUDIO PAINT(クリスタ)」にも組み込まれており、さまざまな場面で活躍します。キーフレームアニメーションを無料で使用できるソフトも存在し、具体的には「Shotcut」や「AnimeEffect」などがあります。
ゲーム業界で主に使用されているのは、「Adobe After Effects」や「Live2D」です。有料にはなりますが、プロの制作現場でも使われているツールなので、実務レベルでツールを使いこなしたいという人にはおすすめです。これらのツールを使用できるようにすることで、キーフレームアニメーションのスキルを習得できます。ここからはそれぞれのツールについて簡単にご紹介していきます。
Adobe After Effects
Adobe After Effectは2Dや3D映像の加工ソフトで、映像にエフェクトを付けたり映像を合成することなどを目的としたソフトです。直感的な操作ができることを活かして、ゲーム制作ではエフェクト制作や3DCG制作になどに使用されます。詳しくは下記の記事でも詳しくご紹介しているので是非ご覧ください!
現実を加工して1→100を作ろう!「AfterEffects」って何?
Live2D
Live2Dはイラストを動かすのに特化したソフトウェアで、VTuberを制作する場面でよく使われます。ゲームではキャラクターアニメーション制作などに使用されることが多いです。詳しくは下記の記事もご覧ください!
コアなファンに刺さる!アニメ・ゲーム業界で求められるLive2Dとは
自分の制作分野によって使い分けよう
AfterEffectもLive2Dもデジタル合成や加工という面で同じなのではないかと思われがちですが、得意な分野によって違いがあります。
AfterEffectはイラストや絵などの加工が得意で3DCG制作でも使用できるという強みがあります。一方でLive2Dはキャラクターの加工が得意という点から、AfterEffectよりもLive2Dの方がより複雑な体の構造を考慮し、腕や頭などの各パーツごとにキーフレームをより細かく設定することでよりリアルに近いキャラクターの動きを再現できます。
キーフレームアニメーションを使いこなせればツールへの理解も容易なので、自分がどんな作品を作りたいのかによって使い分けましょう。
どの業界で活用されるのか
キーフレームアニメーションの技術はアニメーション技術として幅広い業界で活用できます。ゲーム業界、映像制作業界など、映像を扱っている業界であれば必要な人材として重宝されるでしょう。
キーフレームアニメーションを作成するためには各種ソフトを使いこなす必要があるので、独学やスクールに通って学ぶことでスキルを身に付けていきましょう。
まとめ
アニメーションの技術の中でも最も基本的な技術であるキーフレームアニメーション技術の習得はゲーム開発、映像制作を目指している人にとっては必須事項と言えるでしょう。
比較的習得しやすい技術であるので、動画編集ソフトや3DCG制作ソフトを購入した際にはまずキーフレームアニメーションの習得を目指してみてはいかがでしょうか。
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