業界知識

23.09.01

【WEBTOON】画面構成の要!ネーム作家ってどんな仕事?

WEBTOONは韓国発祥で「縦読み」「フルカラー」が特徴のデジタルコミック・ウェブコミックのことをいいます。近年日本でも市場規模を拡大しており、WEBTOON作品がドラマ化されるなど人気を集めています。

WEBTOONはその制作工程が特徴的なのですが、今回はWEBTOONの制作工程のなかから「ネーム」にかかわる部分について「ネームとは?」「ネーム作家になるには?」などをご紹介します!

WEBTOONとは

WEBTOONは韓国発のデジタルコミック、ウェブコミックのことを指します。
縦にスクロールしながら読める点が特徴であり、ほとんどのWEBTOON漫画はフルカラーで表現されています。スマートフォンで読むのに適した形になっている点も特徴であり、コロナ渦における巣ごもり需要の影響で「家から出ずにマンガを読める」「スマホに対応した縦読みがおもしろい」と国際的に人気が出ました。 ここ最近は日本でも大きな注目を集めており、多くの国内企業がWEBTOON業界に参入しています。

「WEBTOON」という名前は、NAVER社の登録商標ですが、本記事内では縦スクロール型漫画を指す言葉として、世界中で広く浸透しているWEBTOONという言葉で説明します。

WEBTOONは分業制

まず、ネームについて説明する前にWEBTOONならではの特徴的な制作工程について簡単に説明します。

従来の紙媒体マンガの制作は1人の作家が原作、脚本、ネーム、作画、背景などの作業を行います。それに対し、WEBTOONは脚本担当、ネーム担当、線画担当、色付け担当などそれぞれ細かく担当が分かれている「分業制」が採用されており、複数の担当者で1つの作品を作り上げています。

※紙媒体マンガとWEBTOONの具体的な違いや、それぞれの担当の仕事内容などについてはこちらの記事もご覧ください!
> いつでもどこでも!新感覚のマンガ「WEBTOON」ってなに?

さて、WEBTOONが分業制で制作されていることがわかっていただけたところで、ネームについて説明していきます。

WEBTOONのネーム制作は何をする?

そもそもネームとは、マンガを描く前にコマの割り当てやセリフ・人物の配置などを大まかに表したもので、「プロット(脚本)から掴める物語やキャラクターの魅力や見せ場を、セリフや演出を通して読者に分かりやすく伝えるための土台作り」です。

線画や色付けといった作業はすべてこのネームを基にして作られるため、WEBTOON制作においてとても重要な工程です。

WEBTOONネーム制作の特徴

ネーム自体の役割や作り方は基本的には従来のマンガと大きく変わりませんが、いくつかWEBTOONならではの特徴があります。

1. 「スムーズにスクロールしてもらう」構成

WEBTOONはスマホ画面で読まれることを前提としており、マンガを読むときに読者にスムーズに画面をスクロールしてもらうことが重要視されます。

例えば、1つのコマに絵や文字がびっしりと詰まっているとそのコマを読むのに時間がかかってしまい、スクロールする手が止まってしまいます。

文章でもスマホ画面で見るときはある程度余白がある方がサクサク読みやすいのと同じで、WEBTOONでも絵やセリフを詰めすぎず余白を持たせることで、スムーズにスクロールしながらサクサクマンガを読むことができます。

2. 躍動感や奥行きの表現がしやすい

WEBTOONは縦に長細い画面で表現されていてページの区切りがないため、基本的にコマの配置に制約がありません。そのため、縦幅を大きく使うことができ奥行きを表現しやすくなります。

高所からの落下などのシーンではスクロールしていく中で背景の変化を演出することができるため、より躍動感や没入感が感じられるでしょう。

3. 時間経過を表現しやすい

時間経過は、単純に昼から夜への変化や、シーンごとの時間の長さのコントロールなどがあります。

まず、WEBTOONはフルカラーなので背景の空の色で時間の経過を簡単かつ自然に表現できます。

シーンごとの時間の長さは、例えば緊迫した状況で時間がゆっくり流れているような感覚を表現したいとき、一部分だけあえてセリフを長くし(文字数を増やし)てスクロールに時間を使わせることで、スクロールの速度変化がそのまま時間経過の演出表現になるのです。

4. スマホ画面で見ることを意識した画面構成

スマホ画面はコミックスの単行本などに比べ表示範囲が狭く・小さくなります。そのため、どうしてもキャラクターの表情などを見せるために顔に寄った構成になりがちですが、単調な画面にならないよう、コマの配置を左右にずらしたりアングルを工夫する必要があります。

5. 他のクリエイターとの意思疎通が重要

従来のマンガ制作でも作家の先生とアシスタントの間で意思疎通を行い共通認識を持つことは重要ですが、WEBTOONの場合は完全分業制のため、その作業がより重要になります。

脚本を基にネームが作られ、それ以降の作画をしたり着彩したり、エフェクトやライティングなどの加工をしたりする工程は、すべてネームが基盤になります。

そのため、作画や着彩が終わった後で「ここはこういう表現がしたかった」とならないためにも「ここの光はどんな光でどのくらいの強さなのか」などのディティールをきちんと伝える必要があります。

メモ書きを残すことはもちろん、参考写真などを用意して共有したりすることもあります。

WEBTOONのネーム作家になるには?

日本ではWEBTOONというコンテンツ自体がまだまだ発展途上であり、WEBTOONに関わる求人は業界未経験でも応募可能なものが多くあります。

ネーム作家は構成を作る仕事なので、人に伝わる程度のデッサン力や制作に必要なツール(CLIP STUDIOやPhotoshop)の操作などは求められますが、WEBTOON業界やアニメ、マンガ業界未経験でも比較的挑戦しやすいといえます。

どちらかというと、専門知識やスキルを持っている事よりも、WEBTOONへの興味や理解があること、ヒット作を生み出したいという熱い気持ちを持っていることが求められます。

また、「イラストが上手く描けないけど構図や構成、演出を考えるのが好き」という方や「みんなで1つのものを作るのが好き」という方に向いています。

給与形態(歩合か給料か)や就業形態(出社かリモートか)などは会社によってさまざまなのでぜひご自身の希望に合う会社を探してみてください!

まとめ

本記事では、WEBTOONクリエイターの中でも作品全体の画面構成を担う「ネーム作家」についてご紹介してきました。日本のWEBTOONクリエイターはまだまだ人手不足ですし、そもそも日本発のWEBTOON作品はまだまだ少ないため、ぜひWEBTOONのネーム作家になって「日本発のヒット作品」作りに携わってみてはいかがでしょうか?

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