メタバースとはコンピューターやインターネット上に展開される仮想空間のことです。ここ数年は多くの企業がメタバース事業に力を入れており、今後もさらなる発展が期待されています。今回はそんな今注目のメタバースについて説明します。
この記事を読めばメタバースの特徴やメリット・デメリット、メタバース事業に力を入れている企業などを確認できます。
メタバースとは
メタバースとは「Meta(超)」と「Universe(宇宙)」を組み合わせた造語であり、インターネット上に形成された仮想空間のことを指します。私たちはアバターを用いて仮想空間に入り込み、他者とのコミュニケーションやイベントへの参加を楽しんだりできます。現在は仮想空間に店舗やオフィスを構える企業も増えてきており、世界中から大きな注目を集めています。
メタバースが注目される理由
メタバースはネットワーク技術が進歩するとともに注目を集めるようになりました。Facebookが社名を変更したことも大きなニュースになり、Meta社の誕生は世界に大きな衝撃を与えました。多くの企業がメタバース事業に参入していることから、今後も更なる発展が予想されています。
メタバースの活用事例
ここではメタバースの活用事例を5つ紹介していきます。
1.オンラインゲーム
メタバースはオンラインゲームの世界でも積極的に取り入れられています。その代表例が『あつまれ どうぶつの森』や『Minecraft』であり、仮想空間での生活を実現しています。
ソニーやMeta(旧Facebook)などが発表しているVRゴーグルも仮想空間を意識したものであり、メタバースへの入り口として注目を集めています。
2.ライブ・イベント
メタバース上では、既に多くのイベントが開催されています。その代表例が音楽ライブやスポーツイベントであり、アバターを使って参加することで自宅からでも非日常的な体験ができます。
3.ショップ
メタバースは、実店舗やECに次ぐ第3の主要チャネルになると注目を集めています。最近では多くの企業がメタバースでの出展を開始しており、新しい形での商品販売が実施されています。中にはメタバース接客というバイトも誕生しており、新しい販売形態の誕生は雇用にまで影響を与えています。
4.バーチャルオフィス
最近ではメタバース上にオフィスを構える企業も増えてきています。バーチャルオフィスはコストの削減や作業の効率化を図ることができるとされており、企業にとっても多くのメリットがあります。
コミュニケーションの面で不安を感じる企業も一定数あると考えられますが、バーチャルオフィスではアバターの距離や顔の向きによって声の音量や聞こえやすさが変わる仕組みとなっているので、リアルオフィスと変わらない感覚で仕事や会議ができます。
雑談などの細かいコミュニケーションも、周りに人がいなければ聞かれることはないので、リラックスしながら仕事を進めることができます。
5.学校
メタバースを活用した学校も増えてきています。従来の形では孤独感を感じることも多かったオンライン授業ですが、生徒のアバターを一つの教室に集めることで、対面授業と同じような一体感を味わうことができるようになりました。
理科の実験では、バーチャル空間上に化石などを映し出すことで、対面形式よりも分かりやすい授業を展開しています。
メタバースの発展によるメリット・デメリット
メリット
非日常的な体験ができる
メタバースの発展により、自宅からでもライブやイベントに参加できるようになりました。エンタメやスポーツ分野とも大きな接点を持つメタバースは、今後もイベントの提供において大きな活躍が期待されています。
新しい形でコミュニケーションができる
メタバースは、新しい形でのコミュニケーションを実現します。アバターを作成する際は容姿や声を自由に設定できるので、現実世界では奥手だった人も、積極的にコミュニケーションを取れるようになる可能性があります。
新しいビジネスを構築できる
新しいプラットフォームの誕生は、新しいビジネスの可能性をもたらします。eスポーツやイベント事業など、メタバースは無限の可能性を秘めています。
仕事の効率化を図ることができる
バーチャルオフィスなどは仕事の効率化を実現します。特に活躍するのが、社内会議などの場面であり、オンライン上でも円滑なコミュニケーションをすることが可能になりました。オフィスにかかる費用を削減できるという点も魅力であり、ビジネスモデルを急成長させることもできます。
デメリット
まだまだ将来が不安定である
メタバースには法律の整備が行き届いていないという点で不安が残っています。仮想空間でのビジネス展開や商品購入は、安定性の面から考えると一定のリスクがあると言えそうです。
ハッキングを受ける恐れがある
メタバースはハッキングを受ける恐れがあります。過去にはメタバース内の通貨がハッキングされたという事例もあるので、まだまだセキュリティ面での不安は残ります。
対面でコミュニケーションを取る機会が減ってしまう恐れがある
メタバース上でのコミュニケーションが普及すると、対面でコミュニケーションを取る機会が減ってしまう可能性があります。今後の課題は、現実世界でのコミュニケーションや暮らし方をどう維持していくかということになりそうです。
メタバースに積極的な企業
外資系企業
Meta(旧Facebook)
メタバース事業に最も力を入れている企業がMeta社です。
Meta社は2021年10月28日(米国時間)に、社名をFacebookからMetaに変更したことでも知られるアメリカのIT企業です。現在は、GoogleやMicrosoft、Zoom、アクセンチュアなどと連携することで、メタバースの発展および、そのプラットフォーマーになるための事業展開を行っています。
Microsoft(マイクロソフト)
アメリカの巨大IT企業、Microsoftもメタバースに注目しています。
Microsoftはかなり早い段階からメタバース分野に進出しており、ゲーム会社マインクラフトの買収などを行ってきました。Microsoftが手掛けるメタバースには、MR機器としての「HoloLens」やバーチャル会議の「Mesh for Microsoft Teams」などがあり、多くのユーザーを獲得しています。
Disney(ディズニー)
米娯楽大手ディズニーも、メタバース戦略を始動しています。
現実世界に仮想空間を融合させるというのがディズニー流のメタバース戦略であり、プロジェクション装置やトラッキングシステムの技術を活用して、テーマパーク内の来場客に新たなサービスを提供していきます。既に特許も取得済みであり、今後は本格的に実用化に向けて動き出すとされています。
NIKE(ナイキ)
NIKEはデジタルスニーカービジネスに参入しています。
デジタルスニーカーとは、現実世界では履くことができないが、仮想空間内で価値を保証されたスニーカーのことであり、新しいビジネスとして注目を集めています。既にいくつかの取引が成立しており、今後も市場の拡大が予想されています。
日系企業
ソニー
ソニーは自社の強みを活かして、ゲームや音楽、スポーツ分野におけるメタバースに注力しています。
PS5用のVRゴーグルの開発に留まらず、フォートナイトを手掛ける「Epic Games」への出資やDestinyシリーズを手掛ける米国のゲーム会社「Bungie」の買収、英国のマンチェスター・シティ・フットボールクラブとの連携など、メタバース分野において大きな存在感を放っています。
パナソニック
パナソニックは子会社の「Shiftall(シフトール)」を通して、本格的にメタバースに参入しています。
Shiftallはメタバース向けの製品を次々と開発しており、VRヘッドセットやウェアラブル冷温デバイス(専用のTシャツとともに使用することで、メタバース空間と連動して体感温度を変化できる装置)など、メタバース事業の拡大に向けて着々と準備を進めています。
キヤノン
キヤノンは、デジタルカメラで撮影した人物を3次元で仮想空間に再現できるアプリの開発を行っています。
マイクロソフトとも緊密に連携しており、カメラ一台で同じ会議室にいるような臨場感を味わえるサービスの提供も始めています。この技術は「AMLOS(ACTIVATE MY LINE OF SIGHT)」と呼ばれており、その機能性の高さやシンプルさが注目を集めています。
KDDI
KDDIは都市連動型メタバースを開発しています。
KDDIが手掛けるプラットフォームは「VIRTUAL CITY」と呼ばれており、ショッピングやイベントなどをバーチャル空間で体験できます。このバーチャル空間は現実世界と連動しているため、現実に限りなく近い臨場感を味わうことができます。
NTTドコモ
NTTドコモは「XR World」というマルチデバイス型メタバースを提供しています。
このサービスは、アバターを通して音楽やアニメ、ダンス、スポーツなどのコンテンツを楽しむことができる点が特徴であり、ボイスチャット機能などを使用することで、あたかも現実世界にいるかのようにコミュニケーションを取ることができます。XR事業の促進にむけて新会社「NTTコノキュー」も設立しており、本格的にメタバース分野への進出に乗り出しています。
GREE
ゲームやアニメ事業を展開するGREEも、メタバース事業に本格参入しています。
GREEは100億円規模の投資でメタバース事業を拡大すると発表しており、子会社の「REALITY」を中心に、ここまで順調な滑り出しを見せています。グローバル展開も順調に進んでおり、さらなる発展が期待されています。
cluster
clusterは、メタバースプラットフォーム「cluster」の開発・運営を行う企業です。
「cluster」は日本を代表するメタバース空間であり、音楽ライブやゲームなど、多くのコンテンツを楽しむことができます。
ユニクロ
ユニクロは『Minecraft』内で、キャラクター向けのゲーム内衣装を配布しています。
店舗ではコラボTシャツも販売されており、今後も積極的にメタバースに参入していくと予想されています。アパレル業界では、多くの企業がメタバースへの参入を発表しているので、今後の動向に注目です。
学校法人角川ドワンゴ学園N/S高等学校
学校法人角川ドワンゴ学園N高等学校およびS高等学校は、Metaとの連携のもとでバーチャル空間での学習を実現しています。
メタバースを活用した授業は、生徒の創造性や課題解決力を発達させると考えられており、有効な学習プログラムとして注目を集めています。
任天堂
任天堂が開発した「あつまれどうぶつの森」も、バーチャル空間を用いたゲームです。
現状はメタバースに対して静観の構えを示す任天堂ですが、今後の展開次第ではメタバース事業への参入も十分考えられます。
メタバース 今後の動向予想
メタバースの市場規模は、更なる拡大が予想されています。アメリカの経済専門通信社Bloomberg(ブルームバーグ)が行った調査では、2020年には4748億ドルだった市場規模が、2024年には7833億ドルまで拡大するとの予想がありました。
国内外の多くの企業が参入を続けているメタバースは今後も成長を続けていき、新しいプラットフォームとしてその地位を確立するでしょう。
まとめ
メタバースは、コンピュータの中に構築された3次元の仮想空間です。
世界中から注目を集めており、多くの企業が参入を発表しています。日本企業も積極的に事業展開を進めているので、今後の動向に注目していきましょう。
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