業界知識

23.05.19

色や影を操る!「シェーダー」って何?

3D空間上で作られたオブジェクト(制作物)は、最終的には画面(2D)に表示されます。
では、なぜ3Dのものを2Dに表示しているのにちゃんと奥行きや立体感を感じられるのでしょうか?それは、シェーダーというプログラムを使用しているからです!
本記事では、3Dオブジェクトを画面に映し出すためのプログラムである「シェーダー」についてご紹介します。

シェーダーとは

シェーダーとはひとことでまとめると「3Dオブジェクトを画面に映し出すためのプログラム」です。シェーダーを使って陰影の処理を行うことをシェーディングと呼びます。

3Dオブジェクトを「レンダリングパイプライン(グラフィックスパイプライン)」というトンネルに通し、そのトンネルの中でさまざまな処理を行うことで、最終的に3D上にあったオブジェクトを2Dの画面に表示させることができます。

よくレンダリングと混同されますが、シェーディングは一連のレンダリング作業の中の処理の1つであり、レンダリングの中に含まれます。

また、ライティングは3D空間上でオブジェクトに光や影を表現するもので、シェーダーはそれを画面に映すための処理という点で異なります。

シェーダーの3つの処理

レンダリングパイプラインの中で行われる処理は主に3つあります。

1. 頂点シェーダー

頂点シェーダーはバーテックスシェーダーとも言い、モデリングしたオブジェクトの頂点の処理を行います。モデリングは簡単に言うとキャラクターや建物などのオブジェクトを作ることです。

3Dモデル(オブジェクト)は「ポリゴン」と呼ばれる三角形や四角形の面(五角形以上の多角形もありますが、ゲーム開発ではほぼ使われません。)で構成されているため、ポリゴンの頂点が分かれば自ずと面の位置も決まってきます。
つまり、頂点を計算するだけでオブジェクトの表示が可能になり、この頂点の位置を計算するのが頂点シェーダーの役割です。

2. ラスタライズ処理

ラスタライズ処理とは、1つの面であるポリゴンを小さい「ピクセル(四角形)」の集合体に変換することです。平面に描かれたリンゴのイラストがあったとして、ピクセルを並べてそのリンゴをドット絵に書き換えるイメージです。
このドット絵を構成する小さな四角(マス)がピクセルで、面をピクセルに変換できたら色を入れていきます。

3. ピクセルシェーダー

ピクセルシェーダーはフラグメントシェーダーともいい、ラスタライズ処理で並べたピクセルに表示する色を決め、その色の計算(処理)をします。
単純な色だけでなく、陰影や凹凸、反射も表現できます。

シェーダーでできること

シェーダーでは大きく分けると「色の合成」「陰影の表現」「奥行きの表現」ができます。それぞれ簡単にご紹介していきます。

色の合成

2つの色やテクスチャを用意して合成させることができます。単純に緑と青を混ぜて水色を作ることはもちろん、背景画像と文字だけが表示された背景透過画像を合成させることも可能です。

陰影の表現

影の入れ方を変えることで、オブジェクトをアニメっぽく表現したりリアルに表現したりできます。立体感を持たせつつ2D調に仕上げるもの(アニメっぽい見た目の3Dモデル)は「トゥーンシェーダー」と呼ばれ『ドラゴンクエスト? 過ぎ去りし時を求めて』や『原神(Genshin)』、『ウマ娘 プリティーダービー』などでも活用されています。

鏡のように強く反射させる処理も可能ですが負荷が大きく、スマホゲームなどではパフォーマンスにも影響が出てしまうので注意が必要です。

奥行きの表現

3Dモデルをシェーダーを使用せずにレンダリングすると、平面イラストのようにあまり奥行きのないものになってしまいます。シェーダーを使って深度を基に指定した色にフェードさせることで奥行きを表現できます。

たとえば、箱を表現したモデルがある時、手前を黒にし奥に向かって徐々に白に近づけていくことで奥行きが感じられるようになります。

シェーダーが役に立つ職種

ゲーム業界ではデザイナー職を中心にシェーダーの技術が役立ちます。3D/2Dデザイナー、UI/UXデザイナー、アニメーションデザイナー、キャラクターモデラー、エフェクトデザイナーなどさまざまです。

特にトゥーンシェーダーは、ゲームはもちろんですがVtuberのモデルなどにも使用されているので、たくさん種類のあるシェーダーの中でも需要が高い分野と言えるでしょう。

まとめ

本記事ではシェーダーについてご紹介しましたが、まとめると「たくさんの面で作られた3Dモデルの面をピクセルに変換して色や質感を入れることで、陰影や奥行きを表現できるもの」と言えそうです。

やや専門的な分野ですが、3D/2D系のデザイナー職の中で需要が高い技術ですので、3DCGデザイナーなどを目指している方はぜひ学んでみてはいかがでしょうか?

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